2021年5月12日

シャントトラブルについて①



透析患者と切って離せず、命綱とも呼べるシャント肢。
血液透析上、極めて重要なものですのでトラブルは防ぎたいものです。

シャント肢にはどのようなシャントトラブルが存在するのか?
透析の方が身近にいない場合はピンとこないかもしれません。

どのようなトラブルが考えられるのか?です。


 ○狭窄・閉塞

 ○瘤形成

 ○静脈高血圧症

 ○スチール症候群

 ○感染症


身近に透析の方がいらっしゃればシャント狭窄症や閉塞症は
耳にしたことがある方も多いかと思いますが、
他のトラブルについてはどうでしょうか?

静脈高血圧症や、スチール症候群などは聞きなれないのではないでしょうか。
今回は狭窄・閉塞と瘤形成について順を追って説明致します。


○狭窄・閉塞

シャント狭窄症では言葉の通り、血管が細くなってしまうことを表します。
理由としては強い血流が当たり続けることによる内膜肥厚や、
シャント部を圧迫することにより血流が悪くなること、
急激な血圧低下、脱水などが原因に挙げられます。
シャント狭窄から時間が経ち、そのまま気が付かないでいると
血管が詰まりシャント閉塞症になってしまいます。


○瘤形成

シャント静脈の一部が瘤状になる事で、吻合部や穿刺部が比較的できやすいようです。
瘤は様々な原因で生じますが、原因の一つに上記のシャント狭窄症が関係しています。
狭窄がありシャント静脈の内圧が高くなると静脈が拡張して瘤になります。
逆に狭窄でジェット流が生じると、
その中枢の血管壁に強い血流が当たって瘤を形成することがあります。
シャント吻合部はそのようなジェット流が生じやすいので
瘤を形成することが多いそうです。
そのような変化はなくとも、シャントの血流量が多いと瘤状に拡張することがあります。


今回は特に耳にすることの多い二点を説明させて頂きました。

次回は残りの三点をご紹介させていただきます。



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