2019年9月25日

秋風邪と喉風邪


 
 
つい最近まで夏の暑さが続いたかと思えば、雨や台風の影響で涼しくなり、
再び暑くなって…を繰り返していますね。

 
やはり季節の変わり目ということもあってか、
今年の秋もまるで三寒四温が続いているようで
体調を崩し始めている方も多いのではないでしょうか。

 
今回は夏が過ぎてから流行る、長引く秋風邪の原因は何なのか、
その対処法や予防法などをまとめたいと思います。

 

 

まず、秋風邪の原因は以下のものとなります。


●気候の変化

夏の高温多湿から一変して、日中の寒暖差が激しくなり空気も乾燥します。
そういった変化に体がついてこず、呼吸機能が低下してしまったり、
自律神経や免疫が弱くなります。

 

●夏の疲労の蓄積

夏に大量の汗をかくことで大量のビタミンやミネラルが消費されたり、
強い日差しや紫外線により肌へ強いダメージが与えられます。
また、夏バテで思うように食事がとれないことや、
長期休暇やバカンスでついつい疲れ知らずに楽しんでいたために
蓄積してしまった疲れが原因で抵抗力が弱まってしまう原因となります。

 

夏風邪と違い、ウイルスが主たる原因ではないため、
大きな症状や発熱が無いことが特徴かもしれません。
何だか体が怠くて調子が悪い、と感じられたらそれは秋風邪かも?と疑うことが必要です。
「ただの夏バテだから」「体調が少しくらい悪くても」と無理をしてしまいがちですが、
長引く原因となってしまいますので治し方や予防法として、

 

・乾燥に気を付ける

・体を温めて調子を整える

・しっかりと休養を取る


基本的な事ではありますが、上記の点に気を付けることが重要になります。

特に体が疲れており、心身ともに疲れやすい秋口ですので、
夏の疲れや季節の変わり目で疲れている体を癒すため、
休めることを心がけるようにしましょう。


また、最近特に流行っているように見受けられるのが喉風邪です。
のどの痛みは放っておいてかなり悪化してからでは手遅れ、
つまり入院に繋がるケースも少なくありません。
肥満気味の方喫煙者の方糖尿病患者の方はより気を付けるべきでしょう。

長引くのどの痛みや、身体に不調がある場合は無理をせず、
早めの受診を心がけることが一番大切です。

 
だらだらと疲労感や倦怠感を伴って長引くため、
じっくりと休養を取ってその他のウイルスも寄せ付けない体へと戻していきましょう!

2019年9月11日

糖尿病から透析患者になるということ



透析を行っている患者様のなかには、糖尿病を患っている方も多くいらっしゃると思います。
糖尿病から腎不全を併発し人工透析を導入する方も多く、さらに感染症や心不全になるリスクも高まります。
国際糖尿病連合によると、糖尿病を発症した患者のうち3人に1人が糖尿病性腎症を患うというデータがあります。
しかし、寿命を短くする原因や気を付けるべきことを正しく理解すれば、糖尿病患者が全員透析を導入しなければいけないということはありません。
今回は、糖尿病から腎不全を併発することのリスクと、人工透析を受けるにあたっての寿命についてお話ししたいと思います。

 糖尿病患者が日々の生活の中で気を付けることは、治療・食事・運動を通して糖尿病性腎症になる事を防ぎ、出来れば人工透析を回避することが重要です。
糖尿病の食事療法はそんなに難しいことはなく、ゆっくりよく噛んで食べたり、栄養バランスの良い食事を食べたりします。
日ごろの活動量や性別・年齢、合併症の有無などによって、一日に摂取する適切なエネルギー量が決まるので、主治医と相談して決めましょう。

 糖尿病から腎不全を併発するリスクとして、次の事があげられます。

・糖尿病と腎不全は治療の両立が難しい

 極端に言うと、糖尿病では「低カロリーの食事と運動」が治療に必要なのに対し、腎不全の治療には「高カロリーの食事と運動制限」が必要になってきます。治療方法に矛盾が生じ、戸惑う患者さんも少なくありません。
病気が変われば治療方法も変わりますので、医師の説明をしっかり聞きましょう。


・長年の糖尿病治療は透析治療にもリスクをきたす

 糖尿病を患うと、高血糖により血管がもろい状態になっています。その結果、シャント※1 に適した血管が少なく、腎不全を治療することで血管の病気にもつながってしまうことが少なくありません。

 人工透析を受けるにあたっての寿命について

今現在糖尿病を治療中の方、これから透析を導入する方、そのご家族が気になっていることだと思います。
統計データから見る人工透析患者の生存率ですが、日本透析医学会によると、1年経過で88%、5年経過で60%、10年経過で35%、15年経過で22%という結果が出ています。
この数値の注意点ですが、日本では透析の歴史が浅く透析治療が浸透したのが最近ということもあり、正確なデータと確定できるものが少ないのが実情です。正しい知識を持ち治療に取り組むことで平均寿命に関わらず長生きすることができます。

透析患者さんでも治療・体調管理をしっかりと行うことで元気に暮らしている人が多くいらっしゃいます。合併症を予防すること・正確な知識をもとにリスクを減らすことが大切です。

※シャントとは
腎不全が重症になると水や老廃物が体にたまってしまうため、人工的に血液を浄化して水分を除去する治療、すなわち血液透析が必要になります。血液透析を円滑行うためには、血液を多量(1分間に150200ml)に体外に導き出さなければならないので、シャントという特殊な血液回路を外科的に腕や手に造ります。これが「シャント造設術」と呼ばれる手術で、動脈と静脈を細い針と糸で細かく縫って吻合します。

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