2022年1月26日

腎不全で起こる変化⑦

今回も引き続き、透析患者に起きる体の変化についてお話していきたいと思います。
尚、過去の記事については、下記リンク部分をご参照ください。
第6回目

【変化⑲】 体の様々なところに石灰が沈着する

通常、体の中で石灰が沈着している場所は骨組織ですが、
透析患者の体では、骨以外の様々な部位に石灰が沈着し、
軟部組織があたかも「骨っぽくなる」現象が良く起こります。

その現象は「異所性石灰化」と呼ばれ、
血管や心臓、関節周囲、肺、角膜などに起こります。
また、透析患者の60~80%に存在しておりますが、
異所性石灰化は石灰化した内臓の働きを落すため、
患者の生活の質や生命に関ります。

とくに血管石灰化は、全身の内臓の血液循環を悪くし、
内臓が壊死する病態を引き起こします。

異所性石灰化は進行するとレントゲンに写りますし、
CT撮影では石灰化の量を測定することもできます。
石灰化病変は元に戻らないことが多い為、
高リン・高カルシウムといったリスクを日ごろから管理し、予防することが大切です。


【変化⑳】 関節が痛くなる

高齢患者や長期透析患者は、関節が痛むことがあります。
その関節痛のおもな原因の一つが「透析アミロイド―シス」という合併症です。

簡単にご説明しますと、通常タンパク質は、
腎臓で異化(生物が外から取り入れた物質を化学的に、
より簡単な物質に分解すること)されますが、
腎不全状態では血中溜まって蓄積されます。
そのため血中濃度が正常より10~40倍まで増加します。

血中濃度が透析アミロイド―シスの発症に必ずしも関係するとは限りませんが、

発症の要因として、

1.タンパク質の血中濃度が高いこと

2.高齢者あるいは長期透析患者

3.遺伝子学的要因

4.沈着したアミロイドタンパク質の終末糖化産物化等

が挙げられます。


アミロイド繊維は、骨関節組織、
特に手根管、肩関節、脊椎に沈着しやすい特徴を有しており、
沈着する部位によって、骨関節障害が生じます。

さらに、動脈の他、内臓組織にも沈着しますので、
消化器に沈着すると下痢や下血、心臓に沈着すると不整脈などを起こします。
このような多彩な病態は透析患者の運動能力や生活の質を低下させる原因となっています。

組織に沈着してしまったアミロイド繊維を取り除くには、
整形外科的な手術療法しかありません。

治療方法としては、沈着の予防、運動制限の改善、
非ステロイド抗炎症薬などによる疼痛緩和の治療などがあります。

予防することを念頭に置きながら適切な治療を行うことが大切です。



今回は透析を行っていくと起こる体の変化として、
体の様々なところに石灰が沈着すること、関節痛が起こることをお話させて頂きました。

今後も引き続き体の変化についてお話させて頂く予定ですので、
どうぞよろしくお願いします。


2022年1月20日

2月の休診日について

 しょうじゅクリニック 2月の休診日についてお知らせします。


休診日・・・毎週日曜日・水曜日


臨時休診・・・2月11日(金)建国記念の日

       2月14日(月)

       2月28日(月)

       

上記の日は終日休診となっておりますのでよろしくお願い致します。



2022年1月18日

新型コロナワクチン 追加接種(3回目)に関して


当院では、現在当院隣接施設の入居者・従事者の方を中心に
第3回目の接種を進めております。


そのため、お近くにお住まいの方、当院かかりつけの患者様の接種に関しましては
3月より順次開始予定となっております。

詳細な開始日程はまだ未定となっておりますが、現段階での予定としては
3月以降の金曜日、午前11時より開始となります。


○取扱いワクチンについて
また、現状では千葉市よりファイザー社ワクチンの供給量が限られております関係で、
当院での第3回接種は武田/モデルナワクチンのみの接種となります。
ファイザーワクチンを取扱う予定はございませんので予めご承知おきください。

今回の追加接種に使用するワクチンは、初回接種に用いたワクチンの種類に関わらず、
mRNAワクチン(ファイザー社のワクチン又は武田/モデルナ社のワクチン)
を用いることが適当であるとされています。(厚生労働省「新型コロナワクチンQ&A」より)
ですので、1・2回目でファイザーワクチンを接種された方でも、
モデルナワクチンを接種して頂くことは問題ありません。

ワクチンに関する疑問などは下記をご覧いただければと思います。



○追加接種予約について
その他、今回の追加接種に関しましてはかかりつけ以外の方は
予約の方法が前回と異なり、千葉市の予約システムから御予約頂く形となります。

前回はどなたでも決まった曜日にお電話か直接来院頂いておりましたが、
追加接種に関しましては予約サイトより御予約下さい。

また、やむを得ず市外の接種券で接種される場合は、
必ず住居地外届を提出しご来院くださいますようお願い致します。



○かかりつけ患者の取扱いについて
当院かかりつけの患者様に関しましては当院にてご予約を承ります。
その際、かかりつけの条件として

・3か月以内に当院に来院している
・当院にて定期的に内服を処方している

上記2点が当てはまる方のみかかりつけ医として当院にて御予約頂けます。
接種券が届いてから、次回来院時にお持ちいただくことで御予約を承ります。
その他の患者様や、1・2回目を接種頂きました患者様は一般枠として
千葉市の予約システムをご利用いただきますことをご了承下さい。


2022年1月12日

冬に流行する感染症①


昨年から寒い日が続きますね。
今年のインフルエンザの流行は
昨年からワクチン接種を勧められるほど
流行の兆しが見られたように思いますが、
冬に怖いのはインフルエンザだけではありません。

寒さや乾燥が厳しくなってくると、
気を付けていても様々な感染症にかかるリスクが高まります。

今回は冬に流行する、インフルエンザ以外の感染症についてご紹介したいと思います。

まず、冬に流行し注意したい感染症は下記の5つになります。

「ロタウイルス感染症」「ノロウイルス感染症」
「RSウイルス感染症」「溶連菌感染症」「マイコプラズマ肺炎」

今回はまず、ロタウイルス感染症ノロウイルス感染症についてご説明したいと思います。


<ロタウイルス>
まずロタウイルス感染症とは、主に2~3月に流行するとされる感染症です。
特徴としては激しい嘔吐、下痢、39℃以上の発熱です。
また、便が白くなることがあり、大量の水様便が出るようになります。
通常、発症してから2~7日程度で直るそうですが、
まれに痙攣や脳症などを引き起こすこともあるため注意が必要です。

ロタウイルスは非常に感染力が強く主に乳幼児期になりやすい病気であり、
5歳までにほぼすべての子供がロタウイルスに感染すると言われています。
大人が感染した場合、今までに何度も感染を経験しているため
ほとんどの場合症状が出ることはありません。
しかし高齢者や免疫力の下がった大人などは感染すると
発症しやすくなるため注意が必要です。


<ノロウイルス感染症>
冬場に流行る感染症の中で最も感染性胃腸炎や食中毒の原因となる感染症です。
食中毒は夏場に多い印象ではありますが、冬場に増えるのがノロウイルスです。
毎年11~2月ごろに流行することがほとんどですが、1年を通して発生しています。
主な症状は吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、38℃以下の発熱です。
通常、発症してから発症後3日以内で軽快しますが、
発症当日の症状が激しいと言われています。

少ないウイルス量で発症するため、感染患者の便や嘔吐物などは
直に触れないように注意しながら早急に片付ける必要があります。
また、感染しても全員が発症するわけではなく、風邪のような症状で済む方もいますので、
冬場は発生源にならないためにも手洗いやうがい、食事に注意することなどが必要です。


5月の休診日について