2018年10月24日

インフルエンザについて①



 

 


秋も本格的になりはじめ、木々の葉が色づいてきましたね。
一日のなかの寒暖差に、風邪気味の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
体温調節のしやすい服装を心掛け、風邪を予防しましょうね。
そして、この季節になるとインフルエンザやその予防接種について気になりますよね。
今回はそのインフルエンザについて二回に分けてお話させていただき、
皆様の予防にお役立ちできればと思います。

 
【インフルエンザの症状】

インフルエンザはインフルエンザウイルスに感染することによって起こる病気です。
普通の風邪よりも急激に発症し、症状が重いのが特徴です。
インフルエンザに感染すると1~5日の潜伏期間の後、38℃以上の高熱や筋肉痛などの全身症状が現れます。健康な人であれば、その症状が37日間続いた後、治癒に向かいます。
気管支炎や肺炎を併発しやすく、脳炎や心不全になる場合もあります。
感染力の強いインフルエンザウイルスは、流行してしまうと年齢や性別を問わず多くの人に感染してしまいます。日本では毎年11月~4月に流行する傾向があるので、春になっても油断できない感染症です。

 
【インフルエンザの種類】

・A型
A型のインフルエンザは、他と比べて上にあげたようなインフルエンザの症状が強いです。
また、ウイルスの形を変えてどんどん進化していくので、ワクチンの予測も立てにくいインフルエンザウイルスです。

 
・B型
 B型のインフルエンザウイルスは、お腹の風邪の症状に近く、下痢やお腹の痛みを訴える人が多いです。A型ウイルスのように大きな流行を起こすことはあまりありませんが、毎年流行しています。


・C型
 C型インフルエンザはいったん免疫を獲得すると終生その免疫が続きます。再び感染したとしても、症状は鼻水くらいでインフルエンザとしてはかなり軽症で済むことが多いと言われています。

 今回はインフルエンザの症状や種類を簡単にご紹介させていただきました。
次回は予防方法や検査方法、その他に注意していただきたいことをお話ししていきたいと思います。


2018年10月10日

風疹について(先天性風疹症候群)


 
 
 
 
 
前回は風疹についての概要だったかと思います。
今回はそれに引き続き、妊婦の方が風疹に感染した場合の胎児への害についてです。
 
 
 
妊婦、また妊娠20週頃まで(とくに、妊娠初期)の女性が風疹にかかると、胎児が風疹ウイルスに感染し、障害をもった赤ちゃんがうまれる可能性があります。
これらを先天性風疹症候群といい、先天性風疹症候群をもった赤ちゃんがこれらすべての障害をもつとは限らず、これらの障害のうちの1つか2つのみを持つ場合もあり、先天性風疹症候群と気づかれるまでに時間がかかることもあります。

 

先天性風疹症候群がおこる可能性は、風疹にかかった妊娠時期により違いがあります。特に妊娠初めの12週までにその可能性が高いことが認められており、子供のころを含め妊娠前に2回の予防接種をうけることによって、成人女性なら妊娠中に風疹にかかることを予防し、または妊婦以外の方が妊婦などに風疹をうつすことを予防できます。ただし妊娠中は風疹の予防接種をうけることはできませんので注意が必要です。

 
 

対策としては、男女どちらも予防接種を受けることが最重要かと思われます。

 

かつては女性のみが受けていたようですが、予防接種を受けず自然感染してしまった場合妊娠中の母親や配偶者、あるいはパートナーや職場・学校の職員に移してしまうことで生まれてくる赤ちゃんが先天性風疹症候群と診断される可能性が生じます。風疹の合併症から身を守り、将来自分たちの子供を先天性風疹症候群から守るためにも風疹の予防接種を受けることが重要です。

 

また、女性の場合予防接種を受ける場合には注意が必要です。

 


それは妊娠していない時期(生理中またはその直後がより確実ですが、あらかじめ1か月間避妊してからが良いでしょう)に予防接種を行い、その後2ヶ月間の避妊が必要です。

 

風疹ワクチンは、大変安全なワクチンだそうですので妊娠中に風疹ワクチンを接種されたため胎児に障害がでたという報告はこれまで世界的にもありません。


 

ですが、その可能性は理論的にまったく否定されているというわけではありませんので、上記の注意が必要です。

 


風疹は特異的な治療法はなく、症状を和らげる対症療法のみであるとされています。

 
 

特に先天性風疹症候群は自分だけでなく将来の子供に及ぶものとなりますので、この期に自身の予防接種の記録などを見返して、改めて予防接種を受けるなどしてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

5月の休診日について