2020年7月22日

夏風邪の原因②


前回に引き続き、夏風邪の原因についてです。

今回は大きく分けたうちのもう一つの原因と、
夏風邪の予防法・対処法についてをご紹介していきたいと思います。


夏風邪のもう一つの大きな原因となるのは
②自律神経の乱れです。

原因の一つに気温差があります。

梅雨前のこの季節は、日によっての気温差や一日の気温差が激しく、
服装を間違えてしまうと気温の変化に体が追いついていきません。

また夏はエアコンなどで冷やされた室内で過ごした後猛暑の屋外へ出る際に、
体を冷やす対策が出来ていないまま猛暑にさらされるため、
体は大きな温度差に対処できず自律神経のバランスを崩してしまうのです。


自律神経は汗をかいて体の熱を冷まし体内の環境を整える神経です。
自律神経のバランスが崩れると、体内に侵入したウイルスを排除できず、
ウイルスを排除してもまた新たに感染してしまいます。

さらに、長期に薬を服用することによって耐性が出来てしまい、効き目が弱くなります。
この悪循環が夏風邪の長引く原因になります。




夏風邪の対処法
長引いてしまう夏風邪を早く治すには、
十分な睡眠とこまめな水分補給で
風邪ウイルスに対する免疫力を回復させることが重要です。

安易に下痢止めや解熱剤を服用してしまうとウイルスをうまく排除できずに
余計に症状が長引いてしまう可能性もあるので、
薬は必要最低限にとどめ休養を心がけて下さい。

あまりにも症状がひどく脱水や高熱がある場合は、
速やかに受診して医師の指導のもと薬を飲みましょう。

また、ぬるめのお風呂は自律神経を整えるのに効果的です。



夏風邪の予防方法
季節問わず、風邪の予防に効果的な方法をご紹介します。

・手洗い、うがいを徹底する
・目薬をさす
・エアコンや部屋の掃除をする
・除湿する

手洗い・うがいは基本ですが、目薬は目から感染するウイルスの対策です。
エアコンや部屋の掃除をすることによって、カビやダニの繁殖を抑えることが出来ます。
さらに除湿することによって、夏のウイルスを撃退することができますので、
こまめな除湿を心がけましょう。

習慣づけてしまえばある程度の感染を予防できますので、ぜひ実践して頂きたいと思います。




今回は夏風邪の原因と対処法、予防などをお話させて頂きました。
症状が長引いてしまってつらいときなど、お困りでしたら当クリニックにお気軽にご相談ください。

2020年7月8日

夏風邪の原因①



最近、暑くなったり涼しくなったり、気温の寒暖差が激しい日が続いていますね。

この時期に気を付けて頂きたいのが、夏風邪です。

夏風邪は寝込んでしまうほど重症化することは少ないですが、
正しい対処をしないと微熱が続きなかなか治りません。
長引かせず短期間で治すためにはどのような対処をしていけばよいのでしょうか。

今回は梅雨の時期から夏にかけて流行する、
夏風邪についてお話していきたいと思います。

夏風邪の原因は大きく分けて2つあり、
今回はそのうちの1つをご紹介致します。


①ウイルス
風邪ときくと冬に流行すると思いがちですが、
風邪の原因となるウイルスは200種類以上あると言われています。

そして多くのウイルスは低温・乾燥した空気を好みますが、
高温・多湿を好むウイルスは夏に活動します。

夏に活動するウイルスに感染すると、
喉や胃腸に炎症を起こすことが多く、
寒気や発熱を起こすこともあります。
代表的なウイルスとして、以下のものがあげられます。
・アデノウイルス
呼吸器と腸で繁殖するウイルスで、
のどの痛みや発熱、激しい咳などの症状を引き起こします。
場合によっては扁桃炎や肺炎など、症状が重くなるケースもあります。

・エンテロウイルス
喉で感染した後、腸内で繁殖するウイルスです。
子どもにかかりやすく、下痢や嘔吐など胃腸の不調が出やすいのが特徴です。
・コクサッキーウイルス
エンテロウイルスの仲間で、発熱・口内炎・水泡・食欲不振などが代表的な症状です。
まれに頭痛や吐き気、下痢や嘔吐を発症することもあります。

また、こちらもまれですが、コクサッキーウイルスが心筋炎の引き金になる事があります。
心筋炎とは、主に心臓の筋肉に炎症が起こる状態の事です。
急性心筋炎の初期症状では、鼻水やのどの痛み、消化器系の症状がみられますが、
その後1~2週間程度で胸痛・心不全症状・不整脈などの症状が発生します。

ただ、発症するまでに特徴的な症状がなく発見が難しい病気とされていますが、
心電図により心臓の異常がみられるため、
もし風邪のような症状の後に胸痛などの症状が出てきた場合は、
念のため病院へ受診し検査しましょう。


代表的なウイルスとは言え、夏風邪と言われるウイルスは上記では収まりません。
次回は夏風邪の原因のもう1つと対処法や予防法をご紹介したいと思います。


5月の休診日について