2022年2月23日

腎不全で起こる変化⑧

今回も引き続き、透析患者に起きる体の変化についてお話していきたいと思います。
尚、過去の記事については、下記リンク部分をご参照ください。
第6回目
第7回目


【変化㉑】筋肉量が減少する

人は年齢を重ねると筋肉・筋力は徐々に低下します。
20歳代と比べ70歳までに筋肉量は25~30%減少、筋力は30~40%低下し、
特に50歳以降は毎年1~2%減ります。

こうした加齢に加え、活動性低下や臓器不全、
栄養摂取不足によって筋肉が衰える現象を最近では疾患の一種と認識され、
「サルコペニア」と呼ばれるようになりました。

サルコペニアの原因は加齢(一次性)だけでなく、
身体活動性の低下、慢性腎不全などの臓器不全、
栄養摂取不足など二次性の要因も含まれています。

慢性透析患者では約3人に1人が合併しており
認知機能の低下やうつ症状にも関連するそうです。
予防には、自立した日常生活を過ごすために
必要な筋肉の維持向上に努めることと、

筋肉を作るために重要なたんぱく質やビタミンDを多く含む
肉や魚をバランスよく摂取することが重要です。


【変化㉒】体が痒くなる

透析患者は透析による除水や水分摂取制限などにより
皮膚への水分供給量が減少して角質の水分量が低下することや、
皮脂腺や汗腺の委縮により皮脂や汗の分泌が低下して
皮脂膜の形成が不十分であることが挙げられます。

皮膚が乾燥すると、皮膚から水分の蒸散や
外部からの刺激を防ぐ機能が低下し、
痒みを伝える神経が通常よりも皮膚の表面近くまで伸びてきます。

その結果、外からの刺激に敏感になり、
衣服が擦れる等のわずかな刺激でも痒みを感じるようになります。

基本的に乾燥のみの場合は保湿剤によるスキンケアを行います。



今回は透析を行っていくことによって起こりうる体の変化として
筋肉が減少しやすいこと、乾燥しやすく体が痒くなりやすいことを紹介させて頂きました。

今後も引き続き体の変化についてお話させて頂く予定ですので、
どうぞよろしくお願いします。



2022年2月20日

 しょうじゅクリニック 3月の休診日についてお知らせします。


休診日・・・毎週日曜日・水曜日


臨時休診・・・3月21日(月)春分の日

       3月28日(月)

       

上記の日は終日休診となっておりますのでよろしくお願い致します。


2022年2月9日

冬に流行する感染症②

 前回に引き続き、今回は「RSウイルス感染症」「溶連菌感染症」
「マイコプラズマ肺炎」についてご説明していきます。


<RSウイルス感染症>
主に9月頃から初春まで流行するとされる感染症です。
近年では夏季より流行が始まるそうです。
特徴としては発熱、鼻水などの症状が数日続きます。
通常、発症してから4~6日程度で直るそうですが、
約3割は咳が悪化し、喘鳴を伴った呼吸困難などの症状が出現します。
悪化すると肺炎になることや、重篤な合併症として無呼吸発作や急性脳症などを
引き起こすことがありますので注意が必要です。

RSウイルスは非常に感染力が強く、何度も感染と発病を繰り返します。
生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ100%の子供が感染すると言われています。
大人が感染した場合、風邪のような症状で済みますが、普通の風邪と区別がつかないので、
咳などの呼吸器症状がある場合は可能な限り0~1歳児との接触を避けることが大切です。


<溶連菌感染症>
溶連菌は、正式には「溶血性連鎖球菌」という菌の略称です。
春から初夏と冬季と流行時期に2回のピークがあり、
なおかつ少数ではありますが年間を通してみられるので注意が必要です。
基本的には、上記の菌が喉に感染しての咽頭痛や38℃以上の急な発熱が主な症状で、
他には皮膚に赤い発疹が出る猩紅熱や舌が赤くなってぽつぽつした状態のいちご舌、
扁桃腺に膿が付き、喉はかなり赤く腫れます。また、とびひの原因にもなります。

抗生剤を飲めばすぐによくはなりますが、
処方された抗生剤をきちんと飲み切る必要があります。
よくなったところで抗生剤を飲み切らずにやめてしまうと再発したり、
重篤化したりする可能性がありますので注意が必要です。
また続発症として膿痂疹や蜂巣織炎、中耳炎、肺炎、化膿性関節炎、
骨髄炎、髄膜炎、リウマチ熱や腎炎など様々な疾患を引き起こします。
ですので、重篤化させないようにしっかりと抗生剤は飲み切るようにしましょう。

溶連菌感染症はどの年齢でも感染しますが、4~15歳の子供がかかる場合が多いです。
主に子どもが感染する場合が多いですが、大人も感染することがあります。
大人が感染した場合は典型的な症状が出ることは少ないですが、
免疫力が低下している場合は子どもと同様の症状が現れます。
また、免疫力が低下している高齢者などの場合、肺炎を引き起こす可能性もあります。


<マイコプラズマ肺炎>
肺炎マイコプラズマという細菌に感染し肺炎に至るもののことを言います。
冬にやや増加する傾向があります。
主な症状は発熱、咳、倦怠感、頭痛などです。
特徴としてはなかなか治らず長く続くコンコンという咳が出ます。
一般的な風邪症状によく似ているので見分けにくい感染症となっており、
肺炎に至らずレントゲンでの異常を示さないこともあります。

5~14歳の子供や30代の若者に多く、どんな人にも感染します。
感染してから発症するまでの潜伏期間が2~3週間と比較的長く、
3~4週間の間咳が続くそうです。
感染力はそれほど強くありませんが、
閉鎖的な集団生活をしていると感染しやすくなるようです。

5月の休診日について