2019年9月11日

糖尿病から透析患者になるということ



透析を行っている患者様のなかには、糖尿病を患っている方も多くいらっしゃると思います。
糖尿病から腎不全を併発し人工透析を導入する方も多く、さらに感染症や心不全になるリスクも高まります。
国際糖尿病連合によると、糖尿病を発症した患者のうち3人に1人が糖尿病性腎症を患うというデータがあります。
しかし、寿命を短くする原因や気を付けるべきことを正しく理解すれば、糖尿病患者が全員透析を導入しなければいけないということはありません。
今回は、糖尿病から腎不全を併発することのリスクと、人工透析を受けるにあたっての寿命についてお話ししたいと思います。

 糖尿病患者が日々の生活の中で気を付けることは、治療・食事・運動を通して糖尿病性腎症になる事を防ぎ、出来れば人工透析を回避することが重要です。
糖尿病の食事療法はそんなに難しいことはなく、ゆっくりよく噛んで食べたり、栄養バランスの良い食事を食べたりします。
日ごろの活動量や性別・年齢、合併症の有無などによって、一日に摂取する適切なエネルギー量が決まるので、主治医と相談して決めましょう。

 糖尿病から腎不全を併発するリスクとして、次の事があげられます。

・糖尿病と腎不全は治療の両立が難しい

 極端に言うと、糖尿病では「低カロリーの食事と運動」が治療に必要なのに対し、腎不全の治療には「高カロリーの食事と運動制限」が必要になってきます。治療方法に矛盾が生じ、戸惑う患者さんも少なくありません。
病気が変われば治療方法も変わりますので、医師の説明をしっかり聞きましょう。


・長年の糖尿病治療は透析治療にもリスクをきたす

 糖尿病を患うと、高血糖により血管がもろい状態になっています。その結果、シャント※1 に適した血管が少なく、腎不全を治療することで血管の病気にもつながってしまうことが少なくありません。

 人工透析を受けるにあたっての寿命について

今現在糖尿病を治療中の方、これから透析を導入する方、そのご家族が気になっていることだと思います。
統計データから見る人工透析患者の生存率ですが、日本透析医学会によると、1年経過で88%、5年経過で60%、10年経過で35%、15年経過で22%という結果が出ています。
この数値の注意点ですが、日本では透析の歴史が浅く透析治療が浸透したのが最近ということもあり、正確なデータと確定できるものが少ないのが実情です。正しい知識を持ち治療に取り組むことで平均寿命に関わらず長生きすることができます。

透析患者さんでも治療・体調管理をしっかりと行うことで元気に暮らしている人が多くいらっしゃいます。合併症を予防すること・正確な知識をもとにリスクを減らすことが大切です。

※シャントとは
腎不全が重症になると水や老廃物が体にたまってしまうため、人工的に血液を浄化して水分を除去する治療、すなわち血液透析が必要になります。血液透析を円滑行うためには、血液を多量(1分間に150200ml)に体外に導き出さなければならないので、シャントという特殊な血液回路を外科的に腕や手に造ります。これが「シャント造設術」と呼ばれる手術で、動脈と静脈を細い針と糸で細かく縫って吻合します。

2019年8月28日

熱中症になってしまったら


まだまだ残暑が暑いこの時期、今年の夏は比較的涼しい日が多かったので、気温が高い日は熱中症などになりやすいですよね。

前回は日射病・熱射病・熱中症の違いについてご説明させて頂きました。

今回は熱中症の予防・対策について説明していきたいと思います。
 

【症状別にみる対処法について】

熱中症などの症状がみられましたら、(前回の記事)を参考に、ご自身の症状がどの病気に当てはまるのかチェックしてみてください。

 日射病の対処法

日射病になる原因は「上半身への直射日光」の場合が多いので、木陰などの涼しい場所に移動しましょう。そして、頭を高くして寝かせ、額や首筋、脇の下を濡れタオルなどで冷やします。あおいだりして風を送り、体温が平温になるまで続けます。もし吐き気があったら顔を横に向かせます。塩分の含まれた水(スポーツドリンクなど)を少しずつ飲ませて下さい。

 熱射病の対処法

熱射病にかかってしまったら、涼しい木陰に頭を低く、足を高くして寝かせ、体温が低いようなら体を温めます。水か薄い食塩水を15分おきに飲ませると良いでしょう。

熱射病の症状で体温が39~41度まで上がり、脈拍が弱いにもかかわらず早く打っていたら深刻です。意識がぼんやりしていたり、顔面蒼白になっていたりしたら、すぐに救急車を呼ぶなどの対応をしてください。
 
【熱中症(日射病や熱射病)の予防について】

条件次第で、誰でもいつでもかかってしまう危険性のある熱中症ですが、正しい予防方法を知り、普段から気を付けることで防ぐことが出来ます。

・水分をこまめに摂り、塩分をほどよく摂る

・エアコンや扇風機などを使って、睡眠環境を快適に保つ

・帽子を被ったり、日傘を使ったりして直射日光を避ける

・日ごろから気温や湿度、熱中症指数をチェックしておく

これらに気を付けていただき、まだまだ続く残暑を乗り切りましょう。

2019年8月14日

日射病・熱射病・熱中症の違い




漸く長い梅雨を終えたかと思えば、日に日に暑さが厳しく強くなってきましたね。
今年も暑い中甲子園も開催され、暑い夏がやってきた実感が出来たのではないでしょうか。

日差しも厳しい中、日々の通勤やお買い物などのお出かけもつらくなってきますね。
ニュースなどでも毎日熱中症で倒れる方々について報道されているかと思います。

ひとくちに日射病・熱射病・熱中症と言っても、
具体的な違いはすぐに思い浮かばないかと思います。
本日はよく似て感じる3つの症状についてお話したいと思います。
 

まず順番にご説明致しますと、

日射病強い直射日光に長時間当たることで発生いたします。
ですので屋外などで、長時間日光に当たることで、日焼けと熱によって引き起こされます。

具体的には夏の暑い日差しの下で長時間動いたり、作業をしたりした場合に体が発汗せず、
また発汗しても体温の冷却が間に合わない状態になり体がオーバーヒートして起こります。
大量の汗をかいて脱水症状になり、体温調節中枢の機能が低下することによって、
倦怠感、悪心、頭痛、めまい、意識障害、痙攣 等の症状が起こります。

熱射病屋内屋外を問わず、高温多湿な環境下に長時間いたり、
作業をしていたりすると引き起こされるものです。

大量の汗をかき、体内の塩分や水分が著しく不足すると、
体温をコントロールする脳の体温調節機能に支障をきたしてしまいます。
倦怠感、頭痛、意識障害の他汗が出ず、40度以上の高体温となって命に関ることもあります。

熱中症は気温、湿度、風などの気象条件による環境や激しい運動など、
体の内外から「熱」の影響を受けて起きる不調全般を指します。
自身が作り出す熱と、身体から放出する熱のバランスが崩れることや、
体内の水分と塩分のバランスが崩れることで、
めまい、湿疹、頭痛、吐き気、気分が悪くなる、体温が高くなる、
異常な発汗(または汗が出なくなる) 等の症状があります。


以上のことからまとめますと、

直射日光によって発症する熱中症日射病と呼ばれ、
症状が重篤化し重度になってしまえば熱射病と言うことが出来るようです。

つまり熱射病と熱中症は2つの異なる病名ではなく

熱射病:重度の熱中症についた診断名
日射病:熱中症の原因からついた診断名

と、まったく異なる指標で付けられている病名なのです。

言い換えれば
熱射病直射日光の有無に関係なく暑い環境下で発症するものを指し、
日射病発症の原因が直射日光のみのものを指します。

どの症状が引き起こされても命に関るものとなります。
また、これは治療薬などもなく、ひたすら飛躍こと・水分などを取ることが最も重要です。
原因と分類を心にとどめて頂き、身体に不調があると思ったときはしっかりと水分と休養をとり、
まだまだ続く厳しい夏も乗り切りましょう!
                                                                                      

                                                                                                                                           

                                                                                                                                           



2019年7月24日

夏バテと糖質






長い梅雨が続いていますが、ようやく終わりを迎えそうですね。

木曜日からはお天気と、30℃近い気温が続くように予想されているようです。

 

そうして暑くなってくるとついつい食欲がないから、面倒だからと
冷たい食べ物や麺類で済ませてしまうことが多くなりがちではないでしょうか?

 

冷たいアイスクリームや清涼飲料水、炭酸飲料などの飲み物や
のど越しの良い麺類などが中心になってしまうことで、
夏バテに拍車をかけてしまうことになるそうです。

 

ごはんやパンだけでなく、麺類に多く含まれるのがいわゆる「炭水化物」です。

炭水化物は「糖質」+「食物繊維」で構成されており、
糖質の代謝に使われるのが「ビタミンB1」となります。

糖質に偏った食生活が中心になるとビタミンB1不足陥ってしまい、不足によって
糖質を摂取してもエネルギーに変換することが出来ず疲れやすくなってしまうようです。
エネルギーが作られないことによってイライラに繋がったり、
体内に糖質が蓄積することによって肥満の原因にもなり得ます。

 

暑いからと炭水化物中心の食事にならない様心がけ、
夏バテ防止にこそ糖質制限に気を付けると良いかもしれません。

 

しかし、食欲があまりない方が無理に食生活を変えるのは難しいかもしれません。
また、行き過ぎた糖質制限も体に良いとは言いきれません。

 

ですので、トッピングに注目して食生活を改善していくのが良いのではないでしょうか。


前述したビタミンB1は豚肉に多く含まれています。
冷たいものでしたら冷しゃぶサラダや、
チャーシューやハムのトッピングされた冷やし中華などがいいかもしれませんね。

 

その他でも、疲労回復にはクエン酸の含まれる梅干しやお酢、
消化吸収を助けるネバネバ食品の長芋やオクラなども勿論のこと、
単純に食欲を増進させるためにカレー粉やトウガラシなどのスパイス・香辛料などを
うまく食卓に使用するといいでしょう。

 

また、余談ではありますが、食後は血糖値が上昇し、
運動などによって血糖値が下降するそうです。

暑い中外に出るのはつらいかとは思いますが、涼しい部屋で体を休めるだけでなく
適度な運動も心がけるようにして夏バテを吹き飛ばしましょう。

2019年7月10日

暑い夏を乗り切るために




前回は梅雨のむくみの原因についてお話させていただきました。

梅雨が明ければ夏がやってきますね。

今回は暑い夏を乗り切るための、体の水はけを良くする食材をご紹介します。

 
体内の水はけを助けてくれる食材

 
・梅干し

梅干しには血液を綺麗にする抗酸化作用があります。

その他にも梅干しに含まれるクエン酸が代謝を促し、さらに殺菌効果・食欲増進・整腸作用・疲労回復などの効果があります。

 ・切り干し大根

切り干し大根は大根より栄養価が高いというだけでなく、ため込んだ油脂のデトックス効果に優れています。

他にも動脈硬化・高血圧の予防・老廃物の除去・便秘にも効果的です。
 

・甘みのある野菜(キャベツ・にんじん・たまねぎなど)

前回、砂糖やフルーツなどがむくみにつながるとお話しさせていただきました。

キャベツ・にんじん・玉ねぎなどの野菜が持つ、素材本来の甘みは、砂糖がため込んだ水分により影響の出ていた胃・脾臓にも効果的です。

特にこの時期に出始めるトウモロコシは食物繊維が豊富で利尿作用があり、血行を促すのでむくみ、冷え対策にもおすすめです。

 
・海藻・キノコ類

血液の浄化に優れ、デトックス効果や新陳代謝を促すほかに、コレステロールを低下させ、

動脈硬化・糖尿病の対策にも効果があります。

不足しがちなミネラルを補給することも むくみや不調の改善にもつながり、

免疫力アップや高血圧の予防、血栓予防といった効果もあり、とても栄養価が高い食べ物です。


この時期は初夏の暑さに体が慣れていなくて、ぐったりしてしまいますね。

夏を元気に過ごすためにも、体のケアだけでなく気持ちの面のケアも気を付けていきたいところです。

気分転換に、ご紹介した食材を使った夏メニューを作ってみてはいかがでしょうか。

2019年6月26日

梅雨時期のむくみについて



梅雨の時期は夏になるまでの季節の変わり目ですので、体調を崩しやすい時期でもあります。

さらにこれから本格的な夏を迎えるため、この時期の過ごし方は重要になってきます。

前回もお話ししましたが、梅雨の時期は気圧が下がることによって自律神経が乱れやすくなります。

自律神経は「交感神経」と「副交感神経」と成っており、二つがバランスよく働くことで健康な状態を維持しています。しかし気圧が下がって交感神経が刺激されると、血管が収縮して血流が悪くなり、余分な水分が回収されにくくなった結果、むくみへとつながっていきます。

 

また外の湿度が高いため、体の水分の代謝が滞ってしまうのも、梅雨時にむくみを引き起こしやすい理由の一つです。

外部の湿気が多いと、水でほとんどを占めている私たちの身体はうまく体温調節が図れない、発汗できないという理由から新陳代謝の乱れが生じます。

体内で滞った余分な水分は、重力により体の下部に移行していきます。この状況が続くと、体の中でうまくエネルギーが回らず、血液循環が低下し、様々な不調を引き起こします。

多い症状としては、膀胱炎・食欲不振・冷え・めまい・頭痛・自律神経の乱れ・皮膚炎・鼻炎の悪化などが挙げられます。

 

むくみの原因は季節のせいだけではありません。

砂糖やフルーツの摂りすぎによるむくみが、内臓で起こることもあります。

砂糖の性質として水分を溜めこんだり、膨張させたりという働きが体内で起こるためです。

体内で水分が滞ると湿気に弱い胃・脾臓が影響を受けてしまい、先に述べた症状に加え消化不良や胃・お腹の不調と繋がります。

 
夏野菜の食べ過ぎにも注意しましょう。

この時期に夏野菜の代表のきゅうりやトマトといった体を冷やす野菜ばかり食べていると、体の深部が冷え風邪をひきやすくなったり、様々な不調の原因を作ったりしてしまいます。

 

今回は梅雨のむくみの原因についてお話しさせて頂きました。

次回はむくみ解消の方法と、暑い猛暑の日にエネルギー不足にならないための、夏を乗り切る対策をお話ししたいと思います。

2019年6月12日

梅雨の健康管理


 
 
とうとう関東でも梅雨にはいりましたね。

じめじめと蒸し暑いかと思えば、昨日に比べやけに肌寒く感じるなど天気が崩れやすく、
心身ともにストレスを溜めやすい時期ともいえます。

そのため、体調不良に陥りやすい時期とも言われているそうです。

梅雨が明ければあっという間に暑い夏がやってきますので、
夏に向けて何とか健康的に過ごすためにもしっかりと対策を取っていくことが重要です!

 

まず、上記でも述べましたが梅雨の体調不良の原因は大きく分けて二つ。

 

気温差の激しさと、低気圧や雨で薄暗い日が続くことです。

 

まず気温差についてですが、
GWが明けたころから30度近い気温が続く日があるかと思います。

そして暑い日が続いたかと思えば、雨続きで気温ががくんと下がることもありますね。

 例えば昨年の気温差ですが、2018/6/9の最高気温は32℃。
そして翌日2018/6/10の最高気温は20.9℃と11℃の気温差がありました。
また、5℃以上の寒暖差のある日は10日間もありましたので、
身体的にもつらいことでしょう。
人間の体は5℃以上の差は肌で明確に感じることが出来る気温差ですので、
体がついていかないことも多いようです。

実際には温度差に加え風邪や湿度が加わるため身体活動はさらに厳しくなります。
体が寒暖差に慣れ切らないうちに5℃以上の急激な気温差が頻発すると
身体的にも精神的にも負担は大きいので体がストレスを感じ疲れやすくなってしまいます。

 
次に低気圧や雨が原因となる天候についてです。
低気圧や明るい日光に当たらない日が続くことで体をお休みモードにする
「副交感神経」が優位になり、だるさを感じやすくなると言われています。

また、雨で外に出ることが億劫で日光を浴びることが出来ず
セロトニンが十分に得られないため憂鬱な気分にも陥りやすくなってしまいます。
雨の日は晴れの日に比べ、光量が1%程しかないとの事ですので、
十分な日光を浴びることも難しいでしょう。

そのどちらもを解消するためには適度に体を動かして、
適度に頭を働かせるといったことが大切なようです。

雨の日ではありますが、雨脚の弱い日には一駅分多く歩いたり、
室内であれば読書をしたりするなどして少しでも意識して動くと良いかもしれませんね。
 
 
 
雨続きで憂鬱な日が続きますが、憂鬱な気持ちに負けず梅雨を元気に乗り切り、
これからやってくる暑い夏に負けないようにしましょう!