都合により4月16日(火)は休診とさせていただきます。
ご迷惑をおかけしますが、何卒宜しくお願い致します。
災害時の備え👩⚕️
大規模な地震や豪雨などの災害が発生すると、避難時に自宅からお薬を持ち出せなかったり、その後の混乱によるお薬の供給不足など、さまざまな理由でいつも通りにお薬が飲めない、使えない状況が起こり得ます。過去の自然災害でも、いつものお薬やその情報をもっていない避難者がかなり多く、医療救援チームが避難者に適切なお薬を処方するのが困難だったことが報告されています。災害による健康被害を最小限にするためにも、災害医療・救援活動をスムーズに進めるためにも、個人個人がお薬とその情報の災害対策をしておくことはとても大切です。
💊災害時に薬が飲めない 使えないと何が起きる?
いつものお薬を急に服用できなくなってしまうと、お薬の種類によっては、その反動で病気の症状が服用前よりも悪化してしまうことがあります。高血圧の患者さんが、降圧薬(血圧を下げるお薬)を急に止めると、血圧が急激に上昇してしまい危険です。喘息の患者さんでは、症状の悪化により発作が起きてしまうかもしれません。また、薬をやめることで離脱症状と呼ばれる不快な症状が現れることがあります。睡眠薬や抗不安薬の急な中断で生じる不眠や不安感、ステロイド薬の急な中断で生じる倦怠感、発熱、頭痛、ショック症状等は離脱症状の一種です。医師や薬剤師に相談して、ご自身が飲んでいるお薬を急に服用できなくなってしまった場合のリスクを理解しておきましょう。
💊災害時の生活・体調の変化に対応したお薬での治療とは。
災害が起こり、被災した場合には、生活や体調の変化に対応してお薬の種類、飲み方(用法・用量)などの変更が必要になる場合があります。実際、阪神淡路大震災や新潟県中部地震をはじめさまざまな大規模地震時には、ストレス等の要因による被災者の血圧上昇が認められています。震災後に血圧上昇がみられた場合、合併症等の危険因子がある方や高度に血圧が上昇した方では、降圧薬の投与開始や増量が検討されます。ただし、血圧は震災後一過性に上昇するものの、4〜6週間かけて元に戻ることが多いため、お薬の服用期間は血圧をモニタリングしながら慎重に判断されます。このほか、災害直後やその後の避難生活では、食生活や活動量が大きく変化するため、糖尿病の患者さんの血糖コントロールが不安定になることがあります。ストレスや不眠なども血糖値に悪影響を及ぼします。このため、糖尿病のお薬の使い方は普段と変更となる場合が少なくありません。日頃から医師や薬剤師と想定されるリスクやその対処法について相談しておくこと、災害時には救護・医療チームの適切なサポートを受けて、健康・疾患管理が行える環境作りが重要です。
💊もしもの時に備えよう
どのくらいのお薬の予備が必要? 災害が起きてすぐの「超急性期」は、お薬の入手が難しい場合があるため、少なくとも3日分のお薬の予備は必要です。外出先で被災してしまう可能性も考慮して、普段からかばんの中に入れておくとよいでしょう。ただし、大規模災害発生時にはさらに混乱が続く可能性もあります。命にかかわる大切な薬を使っている方は、大規模な災害に備えて7日分の予備を持っておくとより安心です。お薬の内容を定期的に確認し古いお薬から順番に使うように入れ替えておくこともポイントです。
💊お薬情報の上手な管理法
お薬情報の上手な管理法 避難時にお薬が持ち出せなかった場合には、お薬手帳が大いに役立ちます。お薬手帳には薬品名と用法・用量が記載されていますので、お薬が手元にない場合もスムーズに薬を処方してもらうことができます。救護所では、普段飲んでいる薬の在庫がない場合は同様の効き目をもつ別のお薬で対応したり、急な体調や症状の変化には新たなお薬が処方されることがあります。普段からお薬手帳に既往歴や副作用歴、アレルギー歴などを記録しておくと、災害時に適切なお薬を処方してもらうための有用な情報となります。外出するときはいつもお薬手帳を携帯するようにしましょう。スマートフォンや携帯電話でお薬手帳を写真に撮って保存しておいたり、家族等とお薬情報を共有しておくとより安心です。お薬手帳のコピーを財布や非常持ち出し袋に入れておくのもよいでしょう。情報は定期的に更新しましょう。スマートフォン等で利用できる電子版お薬手帳はインターネットと電源が確保できればお薬情報をいつでも確認可能です。自分にあった方法をいくつか選んで実施しておきましょう。
最後に災害時に自分の「お薬とお薬情報」をもっていないことのリスクはとても大きく、日頃から「お薬とお薬情報」を管理しておくことが大切です。是非、かかりつけの医師や薬剤師に相談して、災害への備えをしておくようにしましょう😀