~生活のリズムを整え、健やかな毎日を~
「季節の変わり目は体調を崩しやすい」ということをよく耳にします。その体調不良の原因をきちんと理解している人は少ないようです。一言で言えば、気圧の変化や昼と夜の気温差が大きくなることによる「自律神経の乱れ」です。3~4月、6~7月、そして9~11月頃が、季節の変わり目とされていますが、単に気圧の変化や寒暖差だけでなく、それぞれの季節特有の事情も加わっているので、少し厄介です。
たとえば、生活環境の変化があるときでもあり、本人も気付かないうちにストレスを貯め込んでしまっています。それが6月に入ると、梅雨の季節になり雨の日が続くことでなんとなく気分が落ち込んだり、体がだるかったりします。そして9月に入った秋口には、溜まっていた夏の疲れが出やすくなります。このように気圧の変化や寒暖差に加えて、生活のストレスなども影響することで、自律神経のバランスが崩れ、体調不良を起こしてしまうというわけです。
自律神経とは❓
私たちの体内には無数の神経があり、そのなかで体温や発汗の調整などを通じて体の器官を調節するものを「自律神経」と言います。自律神経には、昼間や活動時に作用する「交感神経」と、夜間や安静時などに働く「副交感神経」の2種類があり、この2つの神経がバランスを取り合い、24時間働き続けています。しかし、季節の変わり目は気圧や寒暖差が大きく、体温や発汗をひんぱんに調節しなければならないため、2つの神経のバランスを保つことが難しくなってきます。よって、大きな寒暖差や環境の変化などのストレスがあると、その環境に頑張って適応しようとするあまり「交感神経」が「副交感神経」より優位に働くことで、疲れ、眠気、肩こり、めまいなどさまざまな不調を起こしやすくなります。
高齢者の体調の変化に気を配りましょう
特に高齢者は、加齢により体温を調節する機能が低下しているため、寒暖差に適応することが難しくなっています。しかも、自覚症状が乏しく、ご自身の体調の変化を見逃してしまいがちです。ご家族の方は、普段の生活のなかで、高齢者に不調が起きていないか、気をかけてあげるようにしてください。
自律神経の改善には、規則正しい生活が大切です
①栄養バランスが良く、十分にエネルギーのある食事を、3食しっかり摂りましょう🥗
肉、魚(マグロ、サンマ、カツオなど)、大豆、バナナなどに含まれるビタミンB群は、神経の働きを正常に保つ働きを持っていますので、日常的にしっかり摂るように心がけましょう。また、牛乳やニボシなどに含まれるカルシウムは、イライラした気持ちや興奮を抑えて眠りにつきやすくする働きがありますし、きのこ類、魚介類や卵類に含まれるビタミンDは免疫力向上だけでなく、カルシウムの吸収が良くなります。
②しっかりと睡眠を取ることで、心と体のメンテナンスを🛁
寝ている間は、副交感神経が優位に働いているため、心や体を休ませている状態と言えます。しっかりと睡眠を取るようにして、自律神経の不具合を睡眠でリセットしましょう。高齢者の場合は30分程度の昼寝を取り入れるのもいいでしょう。また、睡眠しやすくするにはお風呂が最適です。38~40℃の湯で、10分以上ゆったりとつかると副交感神経を優位になるので、寝付きが良くなり、ぐっすり眠ることができます。ちなみに、体温が1度下がると免疫力は30%も低下し、逆に1度上がると5~6倍も免疫力が高まると言われています。しっかり体を温めることは、高齢者の健康を増進させるのにも有効です。
季節の変わり目の体調管理はなかなか難しいですが、もし、なんとなくだるさや不調を感じている高齢者がいらっしゃる場合は、ここでご紹介した対策を取り入れて、毎日の生活を見直してみるようにしてください。
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