2020年11月11日

風疹について

 




昨年、一昨年は風疹についてのニュースをよく耳にしたかと思います。

2018年は2017年に比べ感染報告者数は増大しており、
近年最も多かった2013年に次いでの感染者数となっておりました。
2019年は2018年よりも落ち着き、
今年も現状では感染者数の少ない年と変わらない数となっているのは
偏に春先からの徹底的な感染対策も一役買っているのだと思います。
また、2019年に予防接種を受けなかった世代の方の予防接種の勧めもありましたので、
そちらも要因の一つなのかと思われます。


そもそも風疹とは、発熱発疹リンパ節腫脹を特徴とするウイルス性発疹症です。

上記の3徴候のいずれかを欠くものについての診断が困難であること、
また類似症状を示すものとの鑑別が必要になるため、
確定診断のためには検査判断を要します。
そのため臨床症状のみで風疹と診断することは困難な疾患であるとされています。


通常は春先から初夏にかけて多く見られます。
潜伏期間は23週間で、症状はウイルスに感染していながら
明らかな症状が出ないまま免疫が出来てしまう不顕性感染から、
重篤な合併症併発まで幅広く見られますが、
基本的に一度かかると大部分の人は生涯風疹に罹る事は無いようです。


子どもの場合、比較的に症状は軽いそうですが、
まれに脳炎、血小板減少性紫斑病などの合併症が
2000人~5000人に一人の割合で発生することがあるそうなので、
その点では軽視のできない病気です。

大人の場合だと、発熱や発疹の期間が子供に比べて長く、
関節痛がひどいことが多いとされており、
1週間以上仕事を休まなければならない場合もあるそうです。

また麻疹や水痘に比較すれば劣る物の、
感染力も比較的強く、くしゃみのしぶきなどを媒介とする飛沫感染で
他者へと感染していく病気だそうです。
発疹の出る1週間前から発疹のでた1週間くらいまでの間は
感染力があると考えられているようです。


しかし妊婦、また妊娠20週頃まで(とくに、妊娠初期)の女性が風疹にかかると、
胎児が風疹ウイルスに感染し、難聴、心疾患、白内障、
そして精神や身体の発達の遅れ等の障害をもった赤ちゃんがうまれる可能性があります。

 
これらの障害を先天性風疹症候群といいます。
先天性風疹症候群をもった赤ちゃんがこれらすべての障害をもつとは限らず、
これらの障害のうちの1つか2つのみを持つ場合もあり、
先天性風疹症候群と気づかれるまでに時間がかかることもあります。
 
 
 
次回はこの先天性風疹症候群と、予防接種についてとなります。

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