2019年12月25日

ノロウイルスについて


 
ノロウイルス感染症は、乳幼児から高齢者までの幅広い年齢層に急性胃腸炎を引き起こすウイルス性の感染症です。長期免疫が成立しないため何度もかかります。

主に冬場に多発し、11月頃から流行がはじまり122月にピークを迎えますが、年間を通して発生します。

原因ウイルスであるノロウイルスの増殖は人の腸管内のみですが、乾燥や熱にも強いうえに自然環境下でも長期間生存が可能となっています。 感染力が非常に強く、少量のウイルス(10100個)でも感染・発症します。

今回はノロウイルスの効果的な消毒方法や、感染した時の対策についてお話していきたいと思います。

 

◯ノロウイルスの消毒方法

加熱・煮沸できるものであれば、85℃以上で1分以上加熱しましょう。

熱湯をかけるのも手ですが、少しかけて終わりでは完全に消毒できないので注意してください。

一般的にノロウイルスにはアルコールより塩素(次亜塩素酸イオン)消毒が効果的です。

消毒液の作り方は、500㎖のペットボトルにキャップ半量のキッチンハイターを入れて水で満たします。この消毒液を使う際は安全のため、手袋やゴーグル、マスクなどをつけて作業してください。

 

◯ノロウイルスに感染してしまったら

現在、ノロウイルスに効果のある抗ウイルス剤はありません。特に体力のない乳幼児や高齢者は、脱水症状を起こしたり、体力を消耗したりしないように、水分と栄養の補給を十分に行いましょう。脱水症状がひどい場合には病院で輸液を行うなどの治療が必要になります。感染が疑われる場合は、最寄りの保健所やかかりつけの医師に相談してください。

 

インフルエンザだけでなくノロウイルスもきちんと予防し、感染しないように気をつけましょう。

 

2019年12月11日

ノロウイルスについて


食中毒というと夏に多いイメージですが、年間の食中毒の患者数の約半分はノロウイルスによるものなのです。そのうち約7割は11月~2月に発生しており、この時期の感染性胃腸炎の集団発生例の多くはノロウイルスによるといわれています。

ノロウイルスは手指や食品などを介して、経口で感染し、ヒトの腸管で増殖し、嘔吐・下痢・腹痛・微熱などを起こします。感染力が強く、大規模な食中毒など集団発生を起こしやすいため注意が必要です。

また、子供や高齢者は重篤化することがありますので、特に注意が必要です。

今回はそんなノロウイルスの感染源や予防策を、二回に分けてお伝えしていこうと思います。

 ◯ノロウイルスの感染源

ノロウイルスの感染経路には、主に人からの感染と、食品からの感染があります。

①人からの感染

・患者の便や嘔吐物から人の手などを介して二次感染する場合

・家庭や施設内などの飛沫などにより感染する場合

②食品からの感染

・感染した人が調理などをして汚染された食品を食べた場合

・ウイルスの蓄積した、加熱不十分な二枚貝などを食べた場合

感染した場合、約2448時間で吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、微熱などの症状が出てきます。

通常、これらの症状が12日間続いた後に治癒し、後遺症もありません。

また、健康で体力のある人は感染しても発症しない場合や、軽い風邪のような症状で済む場合もあります。ただし、子供やお年寄りなどでは重症化することがありますので特にご注意ください。

 

◯ノロウイルスの予防方法

ノロウイルスはワクチンが無く、治療は点滴などの対症療法に限られてしまいます。

日ごろからしっかりと予防することが大切です。

①手洗いをしっかり行う

特に食事前、トイレの後、調理前後は石鹸で良く洗い、流水で十分に流しましょう。

②人からの感染を防ぐ

家庭内や集団で生活している施設でノロウイルスが発生した場合、感染した人の便や嘔吐物からの二次感染や飛沫感染を予防する必要があります。

ノロウイルスが流行する冬期は、乳幼児や高齢者の下痢便や嘔吐物にノロウイルスが含ませていることがありますので、おむつ等の取扱いには十分に注意しましょう。

③食品からの感染を防ぐ

加熱して食べる食材は中心部までしっかりと火を通しましょう。

二枚貝等ノロウイルス汚染の恐れのある食品の場合、ウイルスを死滅させるには中心部が85℃~90℃で90秒間以上の加熱が必要とされています。

また、調理器具や調理台は消毒していつも清潔にしておきましょう。

まな板、包丁、食器、布巾などは使用後すぐに洗ったり、熱湯(85℃以上)で一分以上加熱消毒したりすることが有効です。

 今回はノロウイルスの感染源と予防方法についてお話ししました。

次回は消毒方法と感染した時の対策についてお話していきたいと思います。

 

 

2019年11月27日

ジェネリック医薬品について





めっきり寒くなってきたため、体調を崩されて
病院に受診することも多くなってくるかと思います。

そんな中で処方箋を薬局に出すときに「ジェネリックで~」とお願いすることや、
薬剤師さんから「ジェネリックでも構いませんか」と聞かれることはないでしょうか?

何気なく聞くフレーズですし、
「今までのお薬の違う会社さんのでしょ?」
「後発医薬医薬品というくらいだから後から作った同じものだ!」
というような認識である方もいらっしゃるかと思います。

今回改めて、ジェネリック医薬品って何だろう?
ということをご説明していきたいと思います。

まず、「先発医薬品」と「後発医薬品」についてです。

先発医薬品は「新薬」と呼ばれ、9~17年のもの歳月と
数百億円以上の費用をかけて開発されます。
開発した製薬会社は、特許の出願によりその期間自社で開発した薬品を
独占的に製造・販売する権利が与えられます。

しかし、特許期間が過ぎるとその権利は国民の共有財産となるため、
他の製薬会社から同じ有効成分を使ったお薬が製造・販売できるようになります。
それが、後発医薬品。つまり、ジェネリック医薬品です。

新薬に比べ開発費や開発期間が少ないために、新薬より低価格でご提供できます。
ではジェネリック医薬品と新薬の同じ点、違う点とは何でしょうか?

まず同じ点は、有効成分と治療効果です。
同じ有効成分を同じ量含有し、効き目も安全性も同等ということですね。

次に違う点は、
添加剤の種類や量、色や味、形や大きさなどの性状
カプセルと錠剤、粉薬等の剤形です。
添加剤というものは、
それ自体には人に対する薬理作用が無く、
安全性も確認されているものを使用しているそうです。
そして剤形ですと例えば、
今までは錠剤しか無かったものが
ジェネリックによって粉薬も登場したり…など、
服用する人にも選ぶことが出来るものとなります。

ですのでジェネリック医薬品とはこれまで有効性や
安全性が実証されてきた新薬と同等と認められたお薬であり、
更に厳しい試験に合格し、厚生労働大臣の承認を受けて
国の基準、法律に基づいて製造・販売されているものということです。

同じ安全性で同じ薬効のお薬を安価で選べるのなら、
お財布にも優しいですし、何より保険側での医療費の節約にもなります。
そのため国からも低価格なジェネリック医薬品の普及が求められています。

欧米などを中心に海外では普及率も高いため、
たくさんの方がジェネリック医薬品を使用していることになります。
ですから、違うお薬だから…という抵抗感はあるかもしれませんが、
安全性は約束されていますので不安も少なく利用できるのではないでしょうか?

もちろん、「このお薬でないと効果が出ない!」
と医師が判断する場合もありますので
ジェネリックに変更できないこともあれば、

添加剤が違うために体に合わないなど場合も考えられます。
また、お薬によってはまだ特許期間の為に
ジェネリック医薬品が無い場合などもありますので、
医師や薬剤師に相談してみましょう。

かかる医師や薬剤師にジェネリックを希望していることを伝えれば、
ジェネリック医薬品を処方してもらうことが出来ます。




このように、最近ではお薬自体を
患者様が選ぶことが出来るようになっています。

自分自身の体の為のお薬だからこそ、
自分で納得のいくお薬選びをしていって頂ければよいかと思います。



2019年11月13日

風邪に効く食べ物



寒暖差が激しいく、だんだんと気温が下がりいよいよ冬が近づいてきましたね。

気を付けてはいても、寒暖差についていけずに風邪をひいてしまう方も
少なくはないのではないでしょうか?

 

今回は、引いてしまった風邪を長引かせず少しでも早く治すための、
食べ物での改善方法をご紹介したいと思います。

 

早く風邪を治すためには、風邪を治すのに必要な栄養素を知らないといけません。

風邪に良いとされる食べ物、飲み物として、
 

・新陳代謝を高めるタンパク質

・白血球の働きを良くするビタミンC

・エネルギーとなる炭水化物、糖質
 

これらの作用、栄養素が含まれているものが適しています。

 

 
まずは、風邪に効く食べ物を紹介します。

 

簡単にまとめると下記の通りとなります。

新陳代謝をよくする(体を温めてくれる)

 ●レバー ●豚肉 ●生姜 ●ネギ ●にら

白血球の働きをよくする

 ●じゃがいも

咳や痰を抑える

 ●生姜 ●みかん ●大根 ●はちみつ

回復・体力疲労回復

 ●豚肉 ●生姜 ●ニンニク

 

そして風邪をひいたときに、特におすすめの食べ物が

●たまご

アレルギーを持っていなければ、必ず摂取しておきたい食べ物。

消化がよく、タンパク質、ビタミン類が豊富。
 

●ニンニク

スタミナ回復と疲労回復を助けてくれます。

ニンニクには抗菌作用があるため、普段から摂取することで免疫力を高めてくれます。
 

●みかん

ビタミンCの補給に最適。

せきや痰を鎮める作用があり、漢方でも使用されています。
 

●緑黄色野菜

ピーマンやブロッコリーといった緑黄色野菜には、ビタミンCを始め、βカロチン、
ビタミンAといった多くの栄養素が含まれています。


これらの食べ物は風邪をひいた時はもちろん、
普段から意識的に取ることで、風邪の予防にもなります。

 

風邪に効く食べ物はまだまだ多くありますが、
その時の体調や食欲に合わせて無理の無い範囲で取るようにしましょう。
 
風邪に効く食べ物をご紹介いたしましたが食欲のない場合に無理やり食事をとることは、
胃に大きな負担をかけることになってしまいますので宜しくありません。
例えば卵がゆなどはお決まりではありますがかなりの栄養が取れます。


他にも食べ物だけでなく、温かい飲み物は鼻屋喉を温めてくれるため、
咳や鼻詰まりを緩和してくれます。

また、スポーツ飲料は汗をかいて失われた水分やミネラル、
食欲がない場合にはカロリーも摂取できるため、
風邪の時には特におすすめの飲み物だと思われます。

 

今回紹介した食べ物や飲み物を風邪をひいた時に口にすれば
症状の緩和や、早期治療の手助けとなります。

これにプラスして、十分な睡眠を取ることを忘れないようにしましょう。

また、体調の悪いときなど食べ物だけではどうにもならない場合はどうしてもあります。そんな場合は早めに病院にかかるようにお気をつけくださいね

 
 

2019年10月23日

インフルエンザ予防接種について


 
 
前回はインフルエンザの主な症状や予防についてお話ししました。

今回はインフルエンザ予防接種についてお話ししたいと思います。

 

流行前の予防が重要となってきます。

医療機関のワクチンの入荷状況にもよるのですが、流行時の12か月前(10月~年内まで)に接種するのが望ましいです。

接種回数は、大人は基本的に1回、13歳未満の子供は2回となっています。

インフルエンザワクチンの有効率は約70%となっており、予防接種をすることで、かかったとしても重症化を軽減してくれます。

ただし注意が必要で、卵アレルギーがある方は医師にご相談ください。


 

当クリニックでのインフルエンザ予防接種について

11月下旬より、外部の方の予防接種の受付も順次開始していきますが、ワクチンの入荷数が未定で、数に限りもございますので、当クリニックを日ごろから受診されている患者様に眼底させていただく場合がございます。

あらかじめご了承ください。

 

2019年10月9日

インフルエンザについて


 

今年の秋は暑かったり涼しかったり、大型の台風が来たりと、なんだか忙しない秋となりましたね。

今年はインフルエンザウイルスも猛威をふるっており、例年よりも早く、多くの感染者が報告されています。その背景には外国人旅行者の増加などがあげられ、都心では学級閉鎖が相次いでいます。

そこで、今回と次回でインフルエンザやその予防接種についてお話していきたいと思います。

 そもそもインフルエンザとは

主な症状として突然・急激に体調が悪くなり、38℃以上の高熱が数日間続きます。頭痛・関節痛・筋肉痛・咳・鼻水等の症状がみられ、これらの症状が35日間ほど続きます。

感染ルートは飛沫感染・接触感染が主となり、手洗いうがいやマスクの着用、人ごみや繁華街への外出をひかえたりして、感染の予防をすることが大切です。

 インフルエンザにかかってしまったら

高い熱(38.5℃以上)でない場合、また下痢等の症状がない場合は一般の風邪と同じ対応で良いと思われます。安静を中心とし、水分や栄養を十分にとりましょう。

高い熱(38.5℃以上)を認めた場合は、 発症後48時間以内であれば抗インフルエンザ薬(タミフルやリレンザ等)の効果(インフルエンザウイルスの増殖を抑える)が期待できます。ただし、発症後すぐに受診しても検査で陽性に出ない場合がありますので、6時間以上経過した時点で受診される事をお勧めします。

 
個人差はありますが、発症後37日間はウイルスを排出していると言われています。このため、熱が下がったからといってすぐに人の集まる場所に行くと、その人が感染源となって新たな感染を起こしてしまいます。最低でも解熱後2日間は自宅で様子を見て、その後外出する際にはマスクをして他人にうつさないよう気をつけましょう。
十分な休養・水分・栄養をとり、室内の保温・保湿につとめましょう。

2019年9月25日

秋風邪と喉風邪


 
 
つい最近まで夏の暑さが続いたかと思えば、雨や台風の影響で涼しくなり、
再び暑くなって…を繰り返していますね。

 
やはり季節の変わり目ということもあってか、
今年の秋もまるで三寒四温が続いているようで
体調を崩し始めている方も多いのではないでしょうか。

 
今回は夏が過ぎてから流行る、長引く秋風邪の原因は何なのか、
その対処法や予防法などをまとめたいと思います。

 

 

まず、秋風邪の原因は以下のものとなります。


●気候の変化

夏の高温多湿から一変して、日中の寒暖差が激しくなり空気も乾燥します。
そういった変化に体がついてこず、呼吸機能が低下してしまったり、
自律神経や免疫が弱くなります。

 

●夏の疲労の蓄積

夏に大量の汗をかくことで大量のビタミンやミネラルが消費されたり、
強い日差しや紫外線により肌へ強いダメージが与えられます。
また、夏バテで思うように食事がとれないことや、
長期休暇やバカンスでついつい疲れ知らずに楽しんでいたために
蓄積してしまった疲れが原因で抵抗力が弱まってしまう原因となります。

 

夏風邪と違い、ウイルスが主たる原因ではないため、
大きな症状や発熱が無いことが特徴かもしれません。
何だか体が怠くて調子が悪い、と感じられたらそれは秋風邪かも?と疑うことが必要です。
「ただの夏バテだから」「体調が少しくらい悪くても」と無理をしてしまいがちですが、
長引く原因となってしまいますので治し方や予防法として、

 

・乾燥に気を付ける

・体を温めて調子を整える

・しっかりと休養を取る


基本的な事ではありますが、上記の点に気を付けることが重要になります。

特に体が疲れており、心身ともに疲れやすい秋口ですので、
夏の疲れや季節の変わり目で疲れている体を癒すため、
休めることを心がけるようにしましょう。


また、最近特に流行っているように見受けられるのが喉風邪です。
のどの痛みは放っておいてかなり悪化してからでは手遅れ、
つまり入院に繋がるケースも少なくありません。
肥満気味の方喫煙者の方糖尿病患者の方はより気を付けるべきでしょう。

長引くのどの痛みや、身体に不調がある場合は無理をせず、
早めの受診を心がけることが一番大切です。

 
だらだらと疲労感や倦怠感を伴って長引くため、
じっくりと休養を取ってその他のウイルスも寄せ付けない体へと戻していきましょう!

新型コロナ症状