2018年10月10日

風疹について(先天性風疹症候群)


 
 
 
 
 
前回は風疹についての概要だったかと思います。
今回はそれに引き続き、妊婦の方が風疹に感染した場合の胎児への害についてです。
 
 
 
妊婦、また妊娠20週頃まで(とくに、妊娠初期)の女性が風疹にかかると、胎児が風疹ウイルスに感染し、障害をもった赤ちゃんがうまれる可能性があります。
これらを先天性風疹症候群といい、先天性風疹症候群をもった赤ちゃんがこれらすべての障害をもつとは限らず、これらの障害のうちの1つか2つのみを持つ場合もあり、先天性風疹症候群と気づかれるまでに時間がかかることもあります。

 

先天性風疹症候群がおこる可能性は、風疹にかかった妊娠時期により違いがあります。特に妊娠初めの12週までにその可能性が高いことが認められており、子供のころを含め妊娠前に2回の予防接種をうけることによって、成人女性なら妊娠中に風疹にかかることを予防し、または妊婦以外の方が妊婦などに風疹をうつすことを予防できます。ただし妊娠中は風疹の予防接種をうけることはできませんので注意が必要です。

 
 

対策としては、男女どちらも予防接種を受けることが最重要かと思われます。

 

かつては女性のみが受けていたようですが、予防接種を受けず自然感染してしまった場合妊娠中の母親や配偶者、あるいはパートナーや職場・学校の職員に移してしまうことで生まれてくる赤ちゃんが先天性風疹症候群と診断される可能性が生じます。風疹の合併症から身を守り、将来自分たちの子供を先天性風疹症候群から守るためにも風疹の予防接種を受けることが重要です。

 

また、女性の場合予防接種を受ける場合には注意が必要です。

 


それは妊娠していない時期(生理中またはその直後がより確実ですが、あらかじめ1か月間避妊してからが良いでしょう)に予防接種を行い、その後2ヶ月間の避妊が必要です。

 

風疹ワクチンは、大変安全なワクチンだそうですので妊娠中に風疹ワクチンを接種されたため胎児に障害がでたという報告はこれまで世界的にもありません。


 

ですが、その可能性は理論的にまったく否定されているというわけではありませんので、上記の注意が必要です。

 


風疹は特異的な治療法はなく、症状を和らげる対症療法のみであるとされています。

 
 

特に先天性風疹症候群は自分だけでなく将来の子供に及ぶものとなりますので、この期に自身の予防接種の記録などを見返して、改めて予防接種を受けるなどしてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

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