2026年6月2日

透析患者さんの合併症

 透析患者さんが気をつけるべき合併症 その⑴


 【短期的合併症】

透析そのものが原因となり、からだが透析に慣れていないために起こる合併症

透析不均衡症候群

血液透析に伴う合併症で、からだが透析にまだ慣れていない透析導入期にみられます。

透析により、体内の血液中の水分や老廃物は急激に除去されますが、脳の中や細胞内の老廃物は除去されにくく、血液と脳など細胞の中との間に濃度差が生じます。この細胞の外と中の濃度が同じでない(不均衡である)ことが原因でさまざまな症状が起こります。これらの症状を「不均衡症候群」と呼びます。

おもな症状は、頭痛や吐き気、嘔吐、脱力感、透析中の血圧低下や足のつり(筋肉のけいれん)などです。頭痛や吐き気などはからだが透析に慣れていけば、徐々に起こりにくくなりますが、血圧低下や筋肉のけいれんは透析を維持する時期になっても起こりやすく、注意が必要です。

不均衡症候群を予防するポイントは、水分や塩分、たんぱく質などをとりすぎないようにし、ゆっくりと時間をかけて、緩やかで無理のない透析を行うことなどが挙げられます。





 【長期的合併症】

透析を長く続けていることが原因で起こる合併症

透析療法は腎臓の機能を完全に代行することはできないため透析療法を長期間続けていると、さまざまな合併症が起こることがあります。

心臓の機能の低下、脳卒中・心筋梗塞などの心血管イベント

透析患者さんは尿が出ないため、水分や塩分がからだにたまり、それを循環させる心臓には大きな負担がかかり、働きすぎの状態に。働きすぎた心臓は心臓疾患の原因となり、心臓の機能が低下して、最後には心不全に至ります。また、透析患者さんには高血圧や糖尿病の方が多く、血液中のリンやカルシウム濃度に異常が出ることも影響して、動脈硬化が進みやすい状態にあります。動脈硬化が進むと、脳卒中や心筋梗塞などさまざまな病気を引き起こします。

これらを予防するには、食事や水分・塩分の過剰摂取をひかえ、心臓に余分な負担をかけないようにしましょう、たまった水分や塩分を透析で適切に除去することが必要です。心臓の過剰な負担を防ぐためには、透析後の適切な体重(ドライウェイト)を守ることも重要です。また、高血圧や脂質異常症、糖尿病などの病気をもっている方は服薬を欠かさずに、こうした病気を上手に治療することが重要です。




【長期合併症】について次回も続きます・・・

透析患者さんの合併症