2021年12月22日

腎不全で起こる変化⑥



今回も引き続き、透析患者に起きる体の変化についてお話していきたいと思います。
尚、過去の記事については、下記リンク部分をご参照ください。

今回は食事に関する体の変化と維持透析患者によくみられる変化です。


食事にまつわる変化

【変化⑯】味覚障害・低栄養になる。

透析患者は前回でも述べたように
食塩・カリウム・リンそして
水分の過剰摂取に気を付けねばならず、
必要に応じて食事制限を行います。

しかし極端に厳しい食事制限は低栄養の原因となります。
また、透析患者は血清亜鉛濃度という
味覚に係る栄養素が低値である方が多く、
味覚障害を合併していることが多いそうです。

亜鉛不足が味覚障害を引き起こし、味覚障害によって
食欲が低下してしまい低栄養状態へと陥ってしまいます。
低栄養状態がまた味覚障害を悪化させていき負のスパイラルへとつながるため、
食事をしっかりと摂ることが重要です。


維持透析患者によくみられる変化

【変化⑰】不整脈を起こす

高カリウム血症をはじめとした原因により、様々な不整脈を合併しやすくなります。


①致死性不整脈

②徐脈性不整脈

③頻脈性不整脈

④血清カリウム値異常


不整脈の原因は透析に伴うもの、
心疾患の合併によるもの、
薬剤性や貧血などが原因のその他のもの、
などが挙げられます。

中でも透析に伴うものとして、
高カリウム血症による不整脈が良く認められます。



【変化⑱】シャントの異常が起こる

シャントの流れ自体が体にとっては異常な流れになるため、
異常な流れを通常の流れに戻すべく、
体はシャント静脈に狭窄を作ります。
「シャントに異常」ではなく、
「体にとっては異常なシャントに対して正常な反応(=狭窄)がおこる」のです。

狭窄が出来るために静脈圧が上昇し、
シャント狭窄症や静脈高血圧症を引き起こしてしまいます。




今回は透析を行っていくことで起こりうる食事にまつわる変化と、
体に含まれる栄養素やイオンで起こりうる体の変化についてお話させて頂きました。

今後も引き続き体の変化などについて紹介させて頂く予定ですので、
どうぞよろしくお願いします。

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